長崎さるく博2004報告

2004プレイベントでわかったこと

 博覧会の本質にかかわる2つの不安(前記´◆砲鯤えながら、今年の10月23日から1ヶ月間、本番2年前のプレイベントに突入しました。一般にプレイベントといえば、本番イベントへ関心を高めるためのPRです。もちろん「さるく博」でも、4月末に発足した推進委員会総会で博覧会の名称や概要が決定されてからまだ6ヶ月、実施内容が承認されてから2ヶ月ほどですから、市民の間でも知名度が低く、はやく名前を売りたいという思いがありました。9月の推進委員会総会では「市民は誰も知らない」とお叱りを受けたほどです。
 しかし、「長崎さるく博」では、もっと重要なチェックポイントがありました。「まち歩きが博覧会になるか」、つまり、長崎のまちは歩いて本当におもしろいか、をまず確認しなければなりません。そして、「市民が本当にやるか」、つまり市民に任せてよいかです。
 プレイベントのために市民プロデューサーが作成したのは4つの「通さるく」と4つの「学さるく」です。詳しい内容は「長崎さるく博」のHPをご覧下さい。http://www.sarukuhaku.com/ 肝心な事は、この8つの企画を市民がプロデュースしたこと。4つの「通さるくコース」は、市民プロデューサーが作成し市民の「さるくガイド」がガイドしました。4つの「学さるく」は、大学の先生や料亭のご主人、関係する業界団体の役員の方々などすべて市民が講師を担いました。厳密な意味でプロはだれもいません。そしてこれらがとてもおもしろかったのです。
 まず、まち歩き。最初の週は、正直に言って参加は低調でした。知名度も低く市民の関心もいまひとつと言うところでした。ところが、参加した人々の実感がまちに伝わると、事務局の電話受付は煩忙を極めました。最終的には2500名近く、定員の90%の参加率で、実際、参加希望の時間が合わずにお断りした数は参加者の2〜3倍に達していました。参加者のアンケートも発表していますから上記のHPで確かめてみてください。「学さるく」の中でも、お座敷で卓袱料理を食べながらお座敷遊びの真似事をするという企画は、1万8千円の参加費にも拘わらず、受付1週間ほどで満員。当日は着飾った女性多数の参加者があり華やかなムードに包まれて、そう、市民のみなさんがとてもしあわせそうでした。イベントは、いわゆる集客イベントは何もやららずにプレイベントは終えました。梅園天満宮で「恋の辻占売り」を再現したり、国宝大浦天主堂でゴスペルをやってみたりはしましたが、それはとても博覧会イベントといえるほどの規模ではありませんでした。まち歩きの魅力を知るためにあえてそうしたんです。それでも、長崎市民は「さるく」に沸きました。
 「わが長崎が、こんなに楽しいまちであるとは知らなかった」「4つのコース全部に参加したい」「まち歩きが、こんなにおもしろいとは」「いまさらいうようだが、長崎はよいところだ」と、改めて長崎への賛辞が市民から寄せられました。さるくガイドさんからも「目からうろこで、ガイドがとても楽しくてわがまちを見直した」という感想も聞きました。いまのところ、ベタ褒めなんです。
 噂を聞きつけた遠方からの、関東と北海道からの参加者もありました。目の不自由な方の参加も、車椅子の方の参加もありました。皆さんから参加できた喜びを伝える手紙や言葉を頂戴しました。
 さて、プレイベントで学んだこと。運営のための手法や手続きでは多くのことを学びました。これを生かして、2005年にもう一度プレをやって、本番に備えます。しかし、もっとも大切なことは、長崎のまち歩きは、スッピンの長崎でも、市民にとって十分に魅力的で、博覧会として十分に堪え得るということ。これは私にとって非常にうれしい認識であり、このまち歩きを基礎にして演出的なイベントを加えれば、言葉通りの魅力的な「日本ではじめてのまち歩き博覧会」になるという確信めいたものが見えてきたことです。もう一つ、理想としていた青臭い市民主導の掛け声が、現実味を帯びてきたこと。これは、なんといってもすごいことです。
 「長崎さるく博」という分かりにくい博覧会が何をやろうとしているのか、市民のみなさんにはイメージしてもらえたと思います。ここには月の石もなく、パンダも、冷凍マンモスもありませんが、そんなものより「スッピンの長崎」でいいじゃないかと、認知してもらったような気がします。おかげで博覧会の知名度も市民では80%くらいにあがったのではないでしょうか。
 2005年は、市外から、遠方からのお客様にも呼びかけます。もちろん、「グラバー園」のイベントや「出島」、「稲佐山」のイベントは2006まで隠し玉ですが、「スッピンの長崎」が遠方の人々にどう受け取られるか、長崎まち歩きのおもしろさが評価されるか、これは2005年の新しい、そして楽しみな不安です。

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