ぁ峇儻」は「まちづくり」になるか(3)

 ちかごろ「観光」の質が変化してきたということと、「まちづくり」にはどのような関係があるのでしょうか。「名所旧跡温泉宴会観光バス」という観光から「人生の幅を広げる」ツーリズムへ、観光が個人化しているという変化です。ここでは観光とツーリズムを対比させていますが、言葉の意味は本来おなじことで、観光という言葉が少々手垢に汚れてきたことから、観光の新しいかたちをツーリズムと言ったりしています。私は、あえて両者をともに「観光」ということにします。
 この変化は、「観光」を、経済効果を求める対象から、人々の人生観やまちの文化にかかわるものに範囲を拡大しました。観光は産業であると同時にそのまちや人々の文化になったのです。
 この変化はとても重要です。なぜなら、個人の来訪者(観光客というよりこのほうがよいでしょう)は、名所旧跡温泉以外に、好きな歴史を探索したり、その土地の素朴な味を求めたり、そこにある自然に身を浸したり、そんなことを観光しようとするのですから、「静かな訪問者」とでも言うべきで、現地に直接にお金は落とさないのですが、気持ちを交流させます。(お金は、その地の拠点都市に宿泊や飲食で落とします。地域の中核都市は観光を積極的に産業として育成すべきだということになります。) この気持ちの交流が、地方の都市や地域に「見られる緊張感」を生みます。いままでだれも来てくれなかったところへ、お客さんが来るようなものです。まちをきれいにしましょう、景観を美しくしましょう、といった自覚が生まれます。このことが自分たちの環境をレベルアップし、まちの質を高めます。
 どうです、観光の質の変化は、住民の生活環境の質を高めていく方向で利用できるのです。欧米に旅行した人たちは、まちの美しさにびっくりします。どんな片田舎へいっても景観が美しく整えられ、それこそ絵に描いたようにおしゃれな町並みがあります。これは、そこに住んでいる人たちが互いに取り決めをして努力しているからです。屋根の形、壁の色、アプローチの長さ、フェンスのあるなしを、住宅も商店も規制を受けるのです。スイスでは窓辺に花鉢を並べることも家の持ち主の義務です。なぜこんなことをするのでしょうか。それは、見られることを意識するからです。見られて「ここは美しいまちね」と言われたいからです。(つづく)

特に、旅館・ホテルや商店など観光需要を獲得する装置を持たない全国の中小都市・地域にとっては、

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