峇儻」が変わります。

 いま、観光の考え方が変わりつつあります。一言で言うと、「物見遊山の観光から人生の幅を広げるツーリズムへ」ということでしょうか、〈名所旧跡温泉宴会観光バス〉の観光はそろそろ卒業して〈人や歴史や自然との交流〉を眼目にした「旅行」へ向かおうということです。一昨年、私はこのような狙いのもとに兵庫県のツーリズムプロデューサーをやりました。そのときに「スローツーリズム宣言」を書きました。この文章は「観光が変わる」という気分をよく反映しています。
 なぜ「観光が変わる」のでしょうか。第一に、団体旅行から個人旅行へ旅行の主体が変化してます。○○御一行様から友人・家族の旅行になりました。そうすると興味の対象も変わります。いつまでも「温泉宴会」ではなくなっています。このあおりをうけて、大広間で大宴会を売り物にしていた温泉の大旅館は経営の危機です。旅行代理店も効率のよい団体旅行が激減して、ビジネスモデルの変更を余儀なくされています。第二に、旅行とはそもそも個人的な精神活動です。芭蕉や西行を取上げるまでもなく、失恋のセンチメンタルジャーニーや四国八十八箇所巡礼などでもわかるとおり、旅行は人間の「思い」を反映したものです。いま、余暇の増大や暮らしのゆとりを受けて原点に返りつつあるということでしょうか。第三に、外国から日本への訪問客が少ない原因にひとつに、温泉宴会の大衆観光に偏りすぎていることがあって、その反省を迫られていることがあります。出てゆく日本人(アウトバウンド)が1700万人、入ってくる外国人(インバウンド)が500万人ですからおよそ3億5000万円の赤字だと政府は言っています。
 長崎も同じです。修学旅行や新婚旅行に頼っていた「長崎観光」が、個人ツーリズムの時代になって、うまく変化に乗り切れていないというところが問題なのです。(つづく)

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